HEMSとは？

HEMS（ホーム・エネルギー・マネジメント・システム）とは、家庭のエネルギーを一括管理し、効率よく使うためのシステムです。
インターネットに接続することで、家中の家電やエネルギー機器を管理・制御できます。HEMSは「家のAI」として、電力使用量の把握や、家電の動作管理をサポートします。

HEMSでできること

HEMSの特徴的な機能は、スマホとの連携やエネルギーの「見える化」、そして電力の自動調整です。

1. 電気の量が見える

HEMSはリアルタイムで家庭内の電力消費量を表示します。これにより、エネルギーの無駄遣いを減らす意識が自然と高まります。
例えば、太陽光発電の発電量や蓄電池の残量も確認でき、エネルギーの管理が容易です。

2. スマートフォンで操作

HEMSを経由して、スマホから家電の操作が可能です。例えば、外出先からエアコンを操作して帰宅時に快適な室温にすることができます。
また、施錠や電動シャッターの開閉もスマホで確認・操作可能です。

3. 家全体の電力を自動調整

HEMSは家庭全体の電力を把握し、必要に応じて自動的に調整します。これにより、ブレーカーが落ちるリスクを軽減し、電力の無駄遣いを防ぎます。

4. 太陽光発電・蓄電池との連携

HEMSは太陽光発電システムや蓄電池と連携し、発電した電力の効率的な活用をサポートします。発電した電気を自動で最適に蓄電池やエコキュートに供給することで、光熱費を削減できます。

5. 家電との連携

HEMSに対応した家電と連携することで、家電の運転状態をスマホに通知する機能も利用可能です。例えば、洗濯が終了したことをスマホに通知してくれるので、家事の効率が向上します。

HEMS導入に必要なもの

HEMSを利用するためには、以下のアイテムが必要です。

基本的に、HEMS本体と分電盤が揃っていれば「電力の見える化」は実現します。さらに、スマホからの操作や機器の連携には、対応する家電や機器が必要です。

コストアップの目安

HEMSの導入にはコストがかかりますが、その費用は以下の通りです。

基本的なHEMS本体と分電盤の設置費用で、総額15～20万円が相場です。

HEMSの主要メーカー

主要メーカーには、パナソニック、三菱、シャープ、東芝ライテックが挙げられます。これらのメーカーのHEMSは、太陽光発電量や電力量の表示機能、スマート家電との連携機能を備えています。

HEMS導入のメリット

【利便性】宅外からの機器操作が可能

HEMSを利用すると、外出先からスマホで家電や機器を操作したり、状態を確認したりすることができます。エアコンの事前操作や照明の消灯、電動シャッターの操作などが例です。

【自動制御】太陽光発電を効率的に活用

HEMSは太陽光発電と連携し、発電した電力を自動的に効率よく使うことができます。天気予報に基づいて、エコキュートや電気自動車の充電を最適に行います。

【節約】光熱費の見える化で節電意識が向上

電力使用量の「見える化」によって、家庭のどこで無駄な電力が使われているかがわかり、節電意識が高まります。これにより、10～20％程度の光熱費削減が期待できます。

【補助金】補助金の活用

HEMSは補助金対象となることが多く、太陽光発電や蓄電池と組み合わせて設置することで補助金が得られる場合があります。特にZEH住宅やスマートハウスを目指す場合、HEMSの導入は必須となることが多いです。